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空自教育資料から学ぶ「反撃」作戦理解のための航空作戦の基礎
『軍事民論』第782号(2026年6月1日発行)…13頁 空自教育資料から学ぶ「反撃」作戦理解のための航空作戦の基礎 本誌第757号及び第774号で、安保3文書で自衛隊に保有が認められた反撃能力により、航空自衛隊のドクトリンが領土防空から敵基地攻撃へと変容したことを紹介した。 その一方でこれらの号では航空自衛隊における旧来の航空作戦の概要についての説明が欠けていたため、その変容の程度が十分理解されなかったと思われる。 そこで本号では、過去の空自の教育資料から航空作戦の基礎を紹介(2~4.)する共に、空自が現在構想している反撃能力の運用構想から空自の航空作戦(反撃作戦)が今後どこへ向かうのかを紹介(5~6.)したい。 なお特に断りのない限り2~4.での引用は(資料番号:12.8.18-1)「航空作戦(航空学生課程)」(空自第12飛行教育団)と(資料番号:12.4.13-1)「防空作戦構想(航空戦力の運用)」(2011年6月6日)、5~6.でのそれは(資料番号:26.2.4-1)「戦術的な航空作戦に関する研究(その6)最終報告」(戦術団研


スタンド・オフ・ミサイルがなくとも空自は敵基地攻撃が既に可能―防衛省部内資料から明らかに
いわゆる敵基地攻撃が可能となるスタンド・オフ・ミサイルが、令和9(2027)年度に航空自衛隊に導入される予定だ(「空幕長記者会見」(2026年3月17日))。まずは「12式地対艦誘導弾能力向上型(空発型)」及び「JASSM-ER」が納入される。 この導入をもって航空自衛隊が敵基地能力を取得すると理解されているが、実は既に空自は敵基地攻撃能力を保有し、その訓練を行っていることが防衛省の部内資料で分かった。 その資料が「令和6度日米共同統合防勢対航空訓練応答要領(Q&A)」だ。 その資料が「令和6度日米共同統合防勢対航空訓練応答要領(Q&A)」と「令和7年度日米共同統合防空・ミサイル防衛(防勢)訓練想定問答」だ。 前者は令和6(2024)年度に実施された「日米共同統合防勢対航空訓練」、後者は令和7(2025)年度実施された「令和7年度日米共同統合防空・ミサイル防衛(防勢)訓練」に関する部内資料だ。 前者は令和6(2024)年度に実施された「日米共同統合防勢対航空訓練」、後者は令和7(2025)年度実施された「日米共同統合防空・ミサイル防衛(防


陸自88式地対艦ミサイルが米軍「キルウェブ」に組み込まれていた―バリカタン演習
それまでオブザーバー参加であったが、今年初めて自衛隊が正式参加した「米比主催多国間共同訓練バリカタン26」。 同訓練では、陸上自衛隊の88式地対艦ミサイル(正式名称:88式地対艦誘導弾)の実射訓練が行われた。自衛隊がフィリピン国内でミサイルを発射するのは、史上初めてのことだ。 この実射が米軍の「キルウェブ」(kill web)に組み込まれていたと、米インド太平洋軍(United States Indo-Pacific Command)が後援する電子メディアが報じている。 問題の箇所は以下の通りだ。 For the first time, the long-running annual exercise featured the Japan Ground Self-Defense Force’s Type 88 surface-to-ship missile system and employment of the U.S.-made Tomahawk land attack missile. Assets were integrated i


スタンド・オフ・ミサイルは抑止力にならない―統幕長記者会見での論理矛盾
反撃能力(敵基地攻撃能力)の一環であるスタンド・オフ・ミサイル(長距離ミサイル)(注)の配備を巡り地元住民から不安の声が上がっている。 この点について定例記者会見で質問を受けた内倉 浩昭 統合幕僚長は、記者の質問に以下のように答えている 記者: 関連して、イラン情勢でも顕著だと思うのですが、ミサイルの発射拠点などが攻撃の対象になっていると思います。自衛隊でもスタンド・オフ・ミサイルの発射拠点などが狙われるリスクというのは、拭えないものがあるのではないかと思っていまして、地元の方々の不安や懸念については、どうお考えでしょうか。 統幕長: お尋ねのありましたような、不安が出ていることについては承知しておりますが、ご指摘のようなことよりも、スタンド・オフ能力を具備することによりまして、より一層、抑止力・対処力を高めることにつながると思います。その効果の方が大きいというふうに考えているところであります。いずれにしましても導入・配備に当たりましては、引き続き丁寧に地域の方々に説明してまいりたい、このように考えております。 【出典】「内倉統合幕僚長記


空自航空戦術教導団研究が明らかにした移動式ミサイル・ランチャー攻撃戦術
『軍事民論』第774号(2026年2月27日)・・・7頁 空自航空戦術教導団研究が明らかにした 移動式ミサイル・ランチャー攻撃戦術 はじめに いわゆる安保三文書(「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」)によりスタンド・オフ防衛能力を活用した反撃能力を構築することが自衛隊の任務となった。 この能力を防衛省は、敵の移動式ミサイル・ランチャー(以下「TEL」:Transporter Erector Launcher)を破壊するために使用すると喧伝している。 同省HPの説明図(スタンド・オフ防衛能力ってなに?)では、我が方のスタンド・オフ・ミサイルをもって敵のTELを破壊することになっているが、この図のように敵のTELを直接破壊することはまず不可能だ。 スタンド・オフ(stand-off)とは「敵の射程外」を意味し、必然的に敵より長い射程が求められる。当然のことながら、射程が長いほど、発射から着弾までにタイムラグが生じる。弾道ミサイルの場合、射程600㎞程度であれば着弾までに約6分、1000㎞程度であれば約10分かかる*1。


「反撃能力」兵器だけでなく運用も開発済み
反撃 (敵基地攻撃) のためにスタンド・オフ・ミサイルの開発とその配備が進んでいる。 【出典】 https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20250830-OYTNI50031/ 「反撃能力」とは「相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンド・オフ防衛能力等を活用した自衛隊の能力をいう」 (「 国家防衛戦略 」18頁) ことから、スタンド・オフ・ミサイルが敵基地を目標としていることは明白だ。 秘密のベールに包まれて国民は知ることができないが、その運用についても検討が進んでいるようだ。 その一端を示すのが、本会の情報公開請求により防衛省が開示した「スタンド・オフ防衛能力運用構想」 (統合幕僚監部) だ。 残念ながら開示されたのは表紙のみで、内容については全く分からない。 同時に開示された「スタンド・オフ防衛能力運用構想について(通達)」 (統幕計第171号 2024年12月23日) によると、統合幕僚監部と統合作戦司令部に対して同構想に基づく体制構築のための各種検討が命ぜられて


反撃のために平時から情報収集衛星で敵領土の目標情報を収集せよ
反撃のために平時から情報収集衛星で敵領土の目標情報を収集せよ ―陸自「野戦特科コンセプト」― 陸上自衛隊が反撃 (敵基地攻撃 )能力を行使する際のターゲティング *1 のために、 情報収集衛星 を使って平時から敵領土・領域内にある目標の情報収集を行うことを検...
陸自幹部高級課程論文が「反撃能力」運用構想を提言―「日米防衛協力のための指針」の改定まで言及
陸上自衛隊第88期 幹部高級課程 での教育の一環としてまとめられた研究論文が、「反撃能力」の具体的な運用構想について提言していることを本会が発見した。また論文は、運用構想の具体化のために「 日米防衛協力のための指針 」の改定まで言及している。...
8月月例研「統合教範『対航空作戦』の概要」
【日 時】8月30日(土)午後3時~5時(2時45分開場) 【場 所】赤城会館(JR・地下鉄東西線「飯田橋」駅) 【テーマ】統合教範「対航空作戦」の概要 いわゆる「安保3文書」の改定(2022年12月)に伴い新たに盛り込まれた「反撃能力」に関しては、長距離ミサイルといった...


防衛省部内資料から知る「集団的自衛権行使とターゲティング」
『軍事民論』第745号(1月6日)…10頁 防衛省部内資料から知る「集団的自衛権行使とターゲティング」 防衛省は、「防衛力整備計画」(2022年12月16日 国家安全保障会議決定 閣議決定)において「相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンド・オフ防衛能力等を活用した自衛隊の能力を反撃能力として用いる」(4頁)ことを決定、長距離ミサイルの取得を進めている。 そしてこの反撃能力は我が国単独で行使されることはない。「弾道ミサイルなどの対処と同様に、日米が協力して対処していく」(注)こととなっているからだ。つまり反撃能力は日米共同―集団的自衛権の行使―を前提としているのである。 日本の反撃能力(長距離ミサイル)を日米共同で使用する場合、最大の問題点は目標選択である。 台湾有事であれ、朝鮮有事であれ、日本としては我が国に飛来する弾道ミサイル等の策源地を叩くために使いたいとしても、米軍は他の優先度の高い目標を狙いたいかもしれない。そして現時点では、目標情報の全てを米軍が握っている。 攻撃目標の選択に関するプロセスを米
「反撃能力」は他国防衛のためにも使用する―防衛白書が告白
以前から本誌では、我が国の「反撃能力」が他国防衛―集団的自衛権行使―に使用されると指摘してきたが、政府は今年の『防衛白書』でとうとうそれを認めた。 白書は、「反撃能力」に関する解説コラムを設け、「反撃能力は存立危機事態において行使しうるのですか?」との問いに対して以下の通り...


『防衛白書』に突然登場……「ターゲティング」とは
メデイアからは注目を集めていないが、今年の『防衛白書』の最大の目玉は「ターゲティング」ではないであろうか。この用語は、白書における我が国の防衛政策に関する記述の中では、これまで登場したことがなかった。 白書は、静かに以下の通り宣言する(226頁)。...


国土防空と敵領域攻撃は密接不離―空幹校がウクライナ紛争から得た教訓
敵基地攻撃能力を言い換えた「反撃能力」について、今年の『防衛白書』は、「弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、わが国が有効な反撃を加えることを可能とする」(213頁)と説明している。...


ニュース:安保3文書の根拠となった「現実的なシミュレーション」は全文不開示
昨年12月に策定された、いわゆる安保3文書の閣議決定後の記者会見の冒頭発言で岸田 総理は、「各種事態を想定し、相手の能力や新しい戦い方を踏まえて、現在の自衛隊の能力で我が国に対する脅威を抑止できるか。脅威が現実となったときにこの国を守り抜くことができるのか。極めて現実的なシ...


ニュース:空母「いずも」は第2列島線での航空戦を担当―空自隊内誌『鵬友』での論考
ヘリ搭載護衛艦(ヘリ空母との評価もあったが)として就役したはずの護衛艦「いずも」。 その後、短距離離陸垂直着陸機(STOVL機)であるF-35B戦闘機を搭載可能とする改修工事を経て、2021年10月3日に米海兵隊F-35Bによる発着艦検証作業を実施し(「護衛艦『いずも』への...


防衛省省内検討資料から見た「存立危機事態」の論点
『軍事民論』第709号 (2023年1月31日発行)…9頁 昨年12月、いわゆる安保3文書―国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画―が制定され、我が国の戦後防衛政策の大転換となる反撃能力が導入が決定された。 今年1月11日 (米国時間) に開かれた日米安全保障協議委員会で日本政府は、この能力を「米国との緊密な連携の下で」運用すると誓約した。すなわち集団的自衛権行使の際に用いることを対米公約としたのである。 我が国有事でないにも関わらず武力行使が許容されるのが集団的自衛権行使であり、その行使が可能となる事態が、安倍政権下で成立した安全保障法制で新たに設けられた「存立危機事態」だ。 この存立危機事態について、麻生副総理兼財務相は2021年7月5日に都内の講演で台湾有事は同事態として対処すべきとの見解を示している ( THE SANKEI NEWS 2021/7/5 22:31 ) 。即ち、台湾有事では日本の反撃力が行使されるのである。 そこで本会は、情報公開請求により防衛省が開示した存立危機事態に関する省内検討資料から、同事態の論点


ニュース:内閣法制局、安保3文書に意見なし―3文書は有識者提言前に完成か?
我が国の戦後防衛政策の大転換となる反撃能力が導入が決定された安保3文書―国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画―に対して、内閣法制局が意見を付けなかったことが、本会の情報公開請求に対して同局が開示した応接録(下図)から明らかになった。...
反撃能力(敵基地攻撃)関連本会所蔵資料一覧
安保3文書で問題となっております反撃能力(敵基地攻撃)に関連する本会所蔵資料をご紹介申し上げます。 資料番号をクリックすると抜粋にアクセスできます(一部除く)。 【法理論関連】 (資料番号:06.10.4-1)「国際法と先制的自衛」『レファレンス』04年4月号...


防衛研究所が部内研究で中国との『戦闘構想』を提言―航空優勢阻止のためにミサイルで中国飛行場を撃破せよ―
防衛省・自衛隊のシンクタンクである防衛研究所が、中国との戦争を想定した『戦闘構想』を部内で取りまとめたことが、本会の情報公開請求により防衛省が開示した部内研究報告書から明らかになった。 それが、「将来の戦闘様相を踏まえた我が国の戦闘構想/防衛戦略に関する研究」(防衛研究所令...
「弾道ミサイル防衛」から「統合ミサイル防空」へ―真の狙いは米軍との共同交戦態勢の確立―
年内改定が予定される国家安全保障戦略など3文書に、米国が推進する「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の確立を明記する検討に入ったと報じられています(統合ミサイル防衛を明記 「反撃能力」併せ、日米連携―安保3文書)。 「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の真の狙いをまとめた本...
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