ヘリ搭載護衛艦(ヘリ空母との評価もあったが)として就役したはずの護衛艦「いずも」。
その後、短距離離陸垂直着陸機(STOVL機)であるF-35B戦闘機を搭載可能とする改修工事を経て、2021年10月3日に米海兵隊F-35Bによる発着艦検証作業を実施し(「護衛艦『いずも』へのF-35B発着艦検証作業について」(2021年10月5日 防衛省))、それが可能であることが確認された。
海上自衛隊は現在も「いずも」を護衛艦と分類しているが、メディアでは「事実上の空母」と報じられている。
この「いずも」の事実上の空母化に関して防衛省は、「新たな安全保障環境に対応し、広大な太平洋側を含むわが国の海と空の守りについて、自衛隊員の安全を確保しながら、しっかりとした備えを行うため」(2019年版『防衛白書』222頁)と説明している。この含意が、中国の第2列島線への侵出拒否であると、航空自衛隊隊内誌『鵬友』に掲載された論文が指摘している。
その論文が「DDV構想、『いずも』型護衛艦改修の要因―軍事戦略の視点から―」である。筆者は現役の3等空佐で、掲載誌には海上自衛隊幹部学校第69期指揮幕僚課程科目「軍事戦略論」の課題論文を加筆・修正したものと紹介されている(海自の教育課程であるが、陸空の隊員も若干名迎え入れている)。
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