スタンド・オフ・ミサイルは抑止力にならない―統幕長記者会見での論理矛盾
- 軍事問題研究会編集
- 3月15日
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反撃能力(敵基地攻撃能力)の一環であるスタンド・オフ・ミサイル(長距離ミサイル)(注)の配備を巡り地元住民から不安の声が上がっている。
この点について定例記者会見で質問を受けた内倉 浩昭 統合幕僚長は、記者の質問に以下のように答えている
記者:
関連して、イラン情勢でも顕著だと思うのですが、ミサイルの発射拠点などが攻撃の対象になっていると思います。自衛隊でもスタンド・オフ・ミサイルの発射拠点などが狙われるリスクというのは、拭えないものがあるのではないかと思っていまして、地元の方々の不安や懸念については、どうお考えでしょうか。
統幕長:
お尋ねのありましたような、不安が出ていることについては承知しておりますが、ご指摘のようなことよりも、スタンド・オフ能力を具備することによりまして、より一層、抑止力・対処力を高めることにつながると思います。その効果の方が大きいというふうに考えているところであります。いずれにしましても導入・配備に当たりましては、引き続き丁寧に地域の方々に説明してまいりたい、このように考えております。
【出典】「内倉統合幕僚長記者会見」(2026年3月13日(金)14:00~14:12)。
即ちスタンド・オフ・ミサイルの配備が「抑止力・対処力を高めることにつながる」と主張しているのだが、抑止力については論理矛盾が生じている。

なぜなら抑止力とは、つまるところ軍事力の威嚇をもって敵に手出しをさせないことだからだ。しかし中国及び北朝鮮が日本を射程に収める長距離ミサイルを既に保有しているにもかかわらず、日本が対抗して両国に届くミサイルを配備しようとしていること自体、両国のミサイルが日本を抑止していない証左である。
従って日本が両国の長距離ミサイルに抑止されないならば、両国が日本のスタンド・オフ・ミサイルに抑止されることもないであろう。
軍事知識がなくとも、論理的思考ができれば統幕長の説明の矛盾に気付くはずだ。
(注) 軍事的な意味でのスタンド・オフとは、敵の射程外から攻撃が可能を意味するもので、あくまで相対的な概念である。従って射程何キロ以上であればスタンド・オフ・ミサイルに該当するというものではない。
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