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尖閣諸島を巡る日中の軍事戦略―中国の「漸進的な拡張」vs 日本の「柔軟抑止」―
「中国、東シナ海「防空識別圏」境界付近に常時3隻以上の軍艦…海自の新型護衛艦とにらみ合い」が報じられています(『讀賣オンライン』1/28(日) 5:00配信)。 そこで中国の「三戦」の手段として「防空識別圏」の設定が行われていることを論究した本誌バックナンバーをご紹介致しま...


台湾支援を巡る米国議会の動向―防研部内研究より
『軍事民論』第727号 (2024年1月9日) …5頁 台湾支援を巡る米国議会の動向 ―防研部内研究より 従来から中国による台湾武力統一に対する米国政府の態度は、侵攻への軍事介入の有無を明確にしない「戦略的曖昧さ」 (曖昧戦略) であったことは知られている。 その一方で、この問題に関する米国議会の動向について我が国に紹介されることは少ない。 防衛省・自衛隊のシンクタンクである防衛研究所がその動向についてまとめた部内研究 (右がその表紙。 ここ をクリックすると抜粋(PDFファイル)がダウンロードできる) が、本会の情報公開請求により、最近防衛省が開示したので紹介したい。 本報告書には日付がないが、本研究の実施期間は2022年4月~2023年3 月(「令和4年度調査研究実施報告書」(防衛研究所)98頁) 。また開示請求は2023年6月だったので、この時点では完成されていた。 以下、本報告書の第2章1~2を抜粋・紹介する。なお原本の脚注は全て省略した。 【その他掲載記事】 日米ガイドラインと柔軟抑止選択肢 (FDO)―空自幹部の論考


中国人民解放軍の着上陸作戦に対して台湾軍が抱える問題点―防研部内研究より
『軍事民論』第682号(2021年11月25日発行…7頁 中国人民解放軍の着上陸作戦に対して台湾軍が抱える問題点 ―防研部内研究より 近年、台湾有事の危険性が盛んに喧伝されている。 今年3月6日に開かれた米上院軍事委員会公聴会において、デービッドソン米インド太平洋軍司令官が、6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言したことは、我が国にも衝撃を与えた。 これを裏付けるかのごとく、中国による台湾への軍事圧力も今年に入り急激に強まっている。中国軍機による台湾の防空識別圏への侵入は、2020年9月16日~10月31日までに述べ76機だったのが、2021年4月5日~5月15日間では113機にまで増加している (防衛研究所『NIDSコメンタリー』第168号〔2021年6月8日〕) 。 こうした中国による防空識別圏への頻繁な進入に台湾軍は耐えきれず、スクランブルによる対処を諦め、地上からの監視に変更したことを台湾国防部は立法院 (国会) で明らかにしている (「台湾海峡にらみ合う大国」2021年6月6日付『朝日』第14版第1面) 。...


自衛隊が見た中国の領域横断作戦―統幕学校部内研究より
『軍事民論』第726号(1月4日発行)…8頁 「自衛隊が見た中国の領域横断作戦―統幕学校部内研究より」 現在、防衛力整備計画(2023~27年)で43兆円という多額の予算を保障された自衛隊は防衛力増強を進める一方、その運用に関しては領域横断作戦に重点を置いている。...


「客観的に尖閣諸島が日本の施政下にあるとは言えない」 ―政府見解を否定した統幕学校部内研究―
日中対立を引き起こしている問題の1つである尖閣諸島について、政府は一貫して「日本国の施政の下にある領域」(「東シナ海の領海防衛に対する政府の考え方に関する質問に対する答弁書」)(注)との立場を取っている。 ところが統合幕僚学校の部内研究が、「現在、客観的に尖閣諸島が日本の施...


データで見る自衛隊2023年度―予算委員会要求資料から
『軍事民論』第725号(2023年12月1日発行)…14頁 「データで見る自衛隊2023年度―予算委員会要求資料から」 我が国の省庁のうち、その実態が明らかになるデータを出し渋る組織の1つが防衛省・自衛隊だ。このため客観的なデータを揃えることが困難であることが、この組織を論...
台湾有事―南西諸島における国民保護と港湾破壊
『軍事民論』第723号 (10月2日)…9頁 台湾有事 (中国による台湾侵攻) の懸念が強まる中、その波及の懸念から我が国政府は南西諸島における国民保護に本腰を入れている。中でも台湾に最も近い与那国島には、7月に松野 官房長官が訪れ、有事の際に住民が速やかに避難できるよう、空港や港の機能拡充などの検討を進めていく考えを伝えたと報じられている *1 。 その一方で、防衛省・自衛隊は既に問題点を洗い出しているにも関わらず、それを国民に明らかにしようとしない *2 。 そこで今回、主に陸上自衛隊の部内資料を基に検討を試みた。すると以下の問題点が浮かび上がり、現在検討されている島外避難の非現実性が明らかになった。 ① 武力攻撃予測事態以前から敵 *3 による港湾への妨害が始まる。 ② このため国民保護法の発動を待っての船舶による島外避難は間に合わない懸念がある。 ③ その一方で、敵の利用を阻止するため、陸自は我が港湾の破壊を検討している。 ④ 港湾破壊対象の優先度1位は与那国島。 ⑤ 「与那国町避難実施要領のパターン」 (以下「


重要土地調査法で届出の対象となる「契約」とは―内閣府政策統括官(重要土地担当)部内資料より
『軍事民論』第722号(9月1日発行)…7頁 重要土地調査法で届出の対象となる「契約」とは ―内閣府政策統括官(重要土地担当)部内資料より― 「重要土地調査法」(「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」)は国民の権利に重大な影...


中国「三戦」を実施する人民解放軍組織―防研部内研究より
『軍事民論』第721号(2023年7月31日発行)…6頁 中国「三戦」を実施する人民解放軍組織―防衛省部内研究より 安全保障に関わる中国の活動における重要なキーワードとして「三戦」が存在する。 三戦は、2003年12月に改定された「人民解放軍政治工作条例」において規定された...


中国海警による尖閣周辺で予測される侵害行為―防研部内研究より
『軍事民論』第720号(2023年7月3日発行)…8頁 中国海警による尖閣周辺で予測される侵害行為―防研部内研究より ロシアによるウクライナ侵略の陰に隠れているが、中国海警局(「海警」)艦艇による尖閣諸島への侵入は後を絶たない。...
今さら聞けない核抑止の基礎知識
『軍事民論』第719号(2023年6月30日発行)…8頁 今さら聞けない核抑止の基礎知識 北朝鮮の核の脅威を契機として、我が国も核の保有についての議論が盛んになっている。 それら議論の中には、核抑止理論についての基本的な知識に欠けているとしか思えないような主張も混在する。...
「戦うために必要な小銃の口径は7.62㎜―陸自富士学校の結論」
陸自射撃場での小銃発射事件の参考までに、小銃の殺傷力に関する本誌既報をご案内申し上げます。 □ 『軍事民論』第663号(2020年12月14日発行)…5頁 *ここをクリックすると抜粋がご覧になれます。 「戦うために必要な小銃の口径は7.62㎜―陸自富士学校の結論」...
台湾有事と日米安保「事前協議」―外務省部内資料で知る問題点
『軍事民論』第718号 (6月5日発行) …6頁 台湾有事と日米安保「事前協議」―外務省部内資料で知る問題点 「台湾有事は日本有事」……こうした言説が我が国では社会通念となりつつある。しかし国際法及び国内法を厳密に解釈すれば、「台湾有事=日本有事」という図式は成り立たない。この図式が成り立つのは、中国が台湾侵攻に伴い我が国を攻撃した場合だ。 軍事専門家は、台湾侵攻に際して日米の軍事介入の口実を与えないため、中国が敢えて日本への攻撃を避ける可能性を指摘している (「 自衛隊最高幹部が語る令和の国防 」(新潮新書)101~102頁) 。この場合は、日本有事とはならない。 一方米国は、台湾を軍事防衛する意志を有しており ( ニュース短信:米国の「台湾防衛」意志はトランプ政権時代に公表されている ) 、日本への攻撃の有無にかかわらず台湾有事に際しては軍事介入する可能性が高い。そしてその際の在日米軍基地・施設の使用の根拠となるのが、日米安保条約第6条だ。同条は、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメ
2022年配信ニュース・リリース(全文)
『軍事民論』第716号(5月8日発行)…31頁 本会では会員に対して不定期にニュース・リリースを配信しており、本号では2022年1~12月間に配信した記事の全文を掲載しております。 ニュース・リリースは会員外には1件¥200円で頒布しておりますので、これら全てを¥300円で...


ウクライナ紛争から台湾有事へのインプリケーション―航空自衛隊幹部学校航空研究センター部内研究メモより
第715号(2023年5月1日発行)…9頁 ウクライナ紛争から台湾有事へのインプリケーション―航空自衛隊幹部学校航空研究センター部内研究メモより ロシアによるウクライ侵攻から台湾有事ヘの教訓を抽出する試みは我が国でも盛んである。...


ロシア核戦略理論における「エスカレーション管理」―ベラルーシへの戦術核配備は核の威嚇による紛争拡大抑止―
□『軍事民論』第713号(2023年4月1日発行)…7頁。 ロシア国営テレビが3月25日に放映したインタビューでプーチン大統領は、ウクライナの隣国ベラルーシに自国の戦術核兵器を配備する方針であること明らかにした。 この方針がウクライナ侵攻に絡んでいることは明白だが、その狙い...


法案説明資料で知る経済安保推進法の論点
昨年5月11日、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」が成立した。 企業活動に大きな影響を与える法律であるにも関わらず、世間の関心が低かったことも相まって、国会審議において個々の条文の論点が十分に掘り下げられたとは言い難かった。...


離島防衛における対謀略戦―陸自教範「情報科運用」より
□ 『軍事民論』第711号 (2023年3月2日発行)…8頁 昨年12月に改定された「国家安全保障戦略」は、新たな脅威として「軍事目的遂行のために軍事的な手段と非軍事的な手段を組み合わせるハイブリッド戦が、今後更に洗練された形で実施される可能性が高い」との認識を示している...


水陸両用車(AAV7A1)の性能・諸元―陸自訓練資料「水陸両用車(仮称)(試行案)」より
□ 『軍事民論』第710号(2023年3月1日発行)…5頁。 (掲載記事) 水陸両用車(AAV7A1)の性能・諸元―陸自訓練資料「水陸両用車(仮称)(試行案)」より 「台湾有事は日本有事」……ほぼ既成事実と化したこの事態に対して、我が国政府は南西諸島の防衛強化を促進している...


防衛省省内検討資料から見た「存立危機事態」の論点
『軍事民論』第709号 (2023年1月31日発行)…9頁 昨年12月、いわゆる安保3文書―国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画―が制定され、我が国の戦後防衛政策の大転換となる反撃能力が導入が決定された。 今年1月11日 (米国時間) に開かれた日米安全保障協議委員会で日本政府は、この能力を「米国との緊密な連携の下で」運用すると誓約した。すなわち集団的自衛権行使の際に用いることを対米公約としたのである。 我が国有事でないにも関わらず武力行使が許容されるのが集団的自衛権行使であり、その行使が可能となる事態が、安倍政権下で成立した安全保障法制で新たに設けられた「存立危機事態」だ。 この存立危機事態について、麻生副総理兼財務相は2021年7月5日に都内の講演で台湾有事は同事態として対処すべきとの見解を示している ( THE SANKEI NEWS 2021/7/5 22:31 ) 。即ち、台湾有事では日本の反撃力が行使されるのである。 そこで本会は、情報公開請求により防衛省が開示した存立危機事態に関する省内検討資料から、同事態の論点
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