□『軍事民論』第713号(2023年4月1日発行)…7頁。
ロシア国営テレビが3月25日に放映したインタビューでプーチン大統領は、ウクライナの隣国ベラルーシに自国の戦術核兵器を配備する方針であること明らかにした。
この方針がウクライナ侵攻に絡んでいることは明白だが、その狙いはロシア核戦略(抑止)理論の文脈から読み解く必要がある。
幸いなことに、米海軍分析センター(The Center for Naval Analyses)が、ロシア軍事文献から同国の核戦略理論を分析した報告書「Russian Strategy for Escalation Management: Evolution of Key Concepts」(2020年4月)をまとめており、本号では、同報告書から「エスカレーション管理」(escalation management.「エスカレーション抑止」と呼ぶ専門家もいる)に関する箇所の抄訳を掲載する。
同報告書によると、「エスカレーション管理」とは、脅威を認識した段階においては侵略を防止し、戦時においては紛争がより高い段階にエスカレートさせないためにロシア軍が目指す方法である(報告書ii頁)。そしてこの管理方法の主役が、核兵器の威嚇と使用であると同報告書は分析している。
報告書によれば、ロシア核戦略理論では、核兵器の運用は通常戦争の段階から始まり、その開始が「示威」(威嚇)となる。核使用を示唆するプーチン大統領のこれまでの発言がまさに示威であり、ベラルーシへの戦術核配備はこの示威段階でのエスカレーションの階段(専門用語でescalation ladder)を上げたものと理解することができる。
核による示威で紛争のエスカレーションを抑えられなければ、ロシア核戦略理論が次に提示するのが核攻撃を含む「損害付与」であり、最終的には「報復」となる。以下の本稿を読めば、ベラルーシへの戦術核配備がロシア核戦略理論に沿ったものであり、単なる脅しに留まるものではないことが理解できよう。
□ 頒価 ¥300円(前金制)
下記本会口座までご入金戴くと共に、本会アドレス(ttn5rhg28d@mx2.ttcn.ne.jp)まで「『軍事民論』第713号希望」とお申し付け下さい(本誌の送付はご入金確認後となります)。
□ 領収証
発行しませんのでご注意下さい。
ただし本誌又は本会ニュースのバックナンバーを合わせて¥500円以上をご購入の場合は、お申し付け戴ければ発行致します。
(振込先:郵便振替)
【郵便局でのお振込みの場合】
口座番号:00110-1-44399
加入者名:軍事問題研究会
【銀行またはインターネット・バンキングでのお振込みの場合】
■銀行名:ゆうちょ銀行
■金融機関コード:9900
■店番:019
■預金種目:当座
■店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店)
■口座番号:0044399
■加入者名:軍事問題研究会
Comments