top of page

わざわざ古いデータで大臣に説明?―「防衛力変革推進本部会議」検討資料の謎

軍事問題研究会編集
8月17日
読了時間: 2分

更新日:8月17日

 組織のトップには最新情報が報告される―そうでなければトップの判断を誤らせることになる―これが世間一般の常識であろう。

 ところが、その常識が通用していないのが防衛省のようだ。

 そのことを示すのが、第9回「防衛力変革推進本部会議(2026年8月3日)での検討資料「現行の国家防衛戦略・防衛力整備計画の評価(課題と今後の方向性)」(防衛省 2026年8月3日)だ。

 同会議は、2025年10月24日に行われた高市総理の所信表明演説で、現行の国家安全保障戦略に定める「対GDP比2%水準」の前倒しと、戦略三文書の改定を目指して検討を開始することの方針が示されたことを受け、省内に設置されたものだ(議長は防衛大臣)

 同資料7頁に掲載された図(下図参照)は、2025年(年度か暦年かは不明)における日中間の軍事力の格差を視覚化したものだが、但し書きには「2024年度末実勢力」となっている。

 しかしながら、同会議以前に公表された2026年版『防衛白書』資料編(54頁)には「資料8 主要艦艇の就役数」(護衛艦の数が掲載)と「資料9 主要航空機の保有数・性能諸元」(戦闘機の数が掲載)において、2026年3月31日現在のデータが掲載されているのだ。

 確かに2024年度末と2025年度末(2026年3月31日現在)では、その数値に大した違いはない。

 しかし、既に公表されている最新データを使わずに大臣に説明するというのは、どういうわけだろうか?

【関連情報】

日本の航空戦力を敢えて過小に見せていないか?―2026年版『防衛白書』への疑問 ここをクリック

「対処力」とは「『対処』する力」ではない ここをクリック


 
 
 

最新記事

すべて表示
マスメディアへの外国からの「影響工作」も調査対象―国家情報会議設置法案説明資料より

本年7月31日に発足した国家情報会議は、我が国インテリジェンスの司令塔機能を担う組織として紹介されることが多い。しかし、具体的にどのような情報や活動を国家情報会議が取り扱うことを想定しているのかは、必ずしも明らかになっていない。   今回本会は、国家情報会議設置法(以下「設置法」)に関連する資料の情報公開請求を内閣官房に行い、その開示を受けた。一連の資料の中から、国家情報会議で扱う情報や、外国によ

 
 
 
9月月例研:「兵站」概論

【日 時】9月26日(土)午後3時~5時(2時45分開場) 【テーマ】「兵站」概論  英語圏での古くからの格言に「戦争のプロは兵站を語り、素人は戦略を語る。」(注)がある。  我が国では自衛隊OBを代表とする軍事専門家の中でStrategist(ストラテジスト)を名乗る者は数多くいるが、logistician(ロジスティシャン)を名乗る者はいない―即ち戦争のプロがいないのが現状だ。  また米シンク

 
 
 
「可動率100%」では継戦能力が失われる? ―現職3等空佐が問う出口戦略から考える航空機運用

可動率こそが部隊の実力であり、継戦能力の本質であるという(永岩俊道 元空将ブログ)。これに従えば、台湾有事を巡り南西諸島が戦域となる事態が現実味を増す中、自衛隊がこれに全力で対処するためには、兵器の可動率を可能な限り高く維持することが必要だというのが、論理的帰結となる。  ところが現職の3等空佐が、継戦能力の観点から「戦時こそあえて可動率を下げる必要がある」との提言を航空自衛隊部内誌『そうび』に寄

 
 
 

コメント


  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

©2022 by 軍事問題研究会。Wix.com で作成されました。

bottom of page