「客観的に尖閣諸島が日本の施政下にあるとは言えない」―『防衛白書』の解説を否定した統幕学校部内研究
『防衛白書』には「解説」と題する囲み記事がある。2026年版『白書』によれば、これは「特定のトピックについて、防衛省の立場からより詳しい説明を加え」るものだ(目次-5頁。表紙から9枚目)。
近年の『白書』では毎年、「解説」において尖閣諸島を取り上げており、そこでは、「尖閣諸島(沖縄県石垣市)は、歴史的にも国際法上も疑うことなきわが国固有の領土であり、現にわが国が有効に支配しています。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しません」(同上『白書』292頁)と繰り返し主張されている。
ところが、本会の情報公開請求により防衛省が開示した統合幕僚学校の部内研究に「現在、客観的に尖閣諸島が日本の施政下にあるとは言えない」(35頁)との記述があることが明らかになった。これは「現にわが国が有効に支配しています」との『白書』の解説を否定するものだ。
その部内研究が、「各国が考える領域横断作戦の概要に関する研究」(2021年3月25日 統合幕僚学校)である。同研究は、「令和元年度指定研究」として実施されたものだ。「指定研究」とは、統合幕僚長の指示する事項について実施する調査研究をいう(平成18年統合幕僚監部達第19号「研究開発に関する達」第2条)。
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