反撃のために平時から情報収集衛星で敵領土の目標情報を収集せよ
- 軍事問題研究会編集
- 8月27日
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更新日:9月5日
反撃のために平時から情報収集衛星で敵領土の目標情報を収集せよ ―陸自「野戦特科コンセプト」―
陸上自衛隊が反撃(敵基地攻撃)能力を行使する際のターゲティング*1のために、情報収集衛星を使って平時から敵領土・領域内にある目標の情報収集を行うことを検討していることが、本会の情報公開請求により防衛省が開示した文書から明らかになった。
情報収集衛星が実質的な軍事偵察衛星として運用されれば、その関連施設は合法的な軍事目標となる。衛星情報を受信・収集する全国4つの関連施設はその対象だ。戦略目標を収集しているとなれば、敵は開戦の冒頭でその破壊に着手するであろう。
特に中央センター(内閣衛星情報センター)は、JR「市ヶ谷」駅のすぐそばの民間施設のど真ん中に所在する。攻撃を受ければ民間人への副次的(巻き添え)被害は甚大だ。
それが「野戦特科コンセプト」だ。同文書は「令和6年度陸上自衛隊フォーラム」のプレゼン資料で、将来の使命・役割に基づく野戦特科コンセプト及び装備体系に関する中間成果について報告(1頁)したものだ。

この中で反撃能力の行使に係る火力戦闘について言及し、以下の通り述べている(7頁)。
*1 米軍における定義では、ターゲティングとは、作戦上の要件と能力を考慮し、ターゲットを選択し、優先順位を付け、適切な対応を行うプロセスをいう〔(資料番号:23.1.28-1)「研究瓦版(4-16)ターゲティングに関する基礎的な事項」(2022年10月3日 航空自衛隊幹部学校航空研究センター)4頁〕。

なおこの用語は2023年版『防衛白書』226頁に突然現れた。それ以前の白書では日米共同
で行うのはISR(Intelligence, Surveillance and Reconnaissance:情報収集・警戒監視・偵察)とされていたのだが、2023年版ではISRT(情報収集・警戒監視・偵察・ターゲティング)となったのである。そして防衛省は発表文書においてこの用語の定義を示したことはない。
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