『軍事民論』第733号(4月1日)…6頁
反撃能力(敵基地攻撃)は平時から行使できる―政府部内資料から得た結論
いわゆる安保3文書で正式に導入が決定された反撃能力の名の下に、政府は敵基地攻撃能力の保有を進めている。
この反撃能力について、安保3文書のうちの「国家安全保障戦略」は、「我が国に対する武力攻撃が発生し、…そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、…有効な反撃を加える」(18頁)ものと説明している。
この説明からは、我が国が武力攻撃を受けた時のみ、やむを得ず反撃能力は行使されると国民は理解するであろう。しかしその理解は誤りである。
なぜなら集団的自衛権は我が国平時から行使可能であり、反撃能力は集団的自衛権でも行使可能―従って反撃能力は我が国平時から行使できるからだ。
本稿では、このロジックを情報公開請求により開示された政府部内資料から明らかにしたい。
〈小見出し〉
1．はじめに
2．集団的自衛権とは
(1) 集団的自衛権行使の「新三要件」
(2) 「存立危機事態」とは
3．反撃能力とは―内閣法制局説明資料より
(1) 定義
(2) 攻撃の対象
(3) 日米共同対処
4．反撃能力は平時から行使できる
(1) 集団的自衛権は我が国平時から行使可能
(2) 反撃能力は集団的自衛権でも行使可能
(3) 戦例が示すトマホークは先制攻撃兵器
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