安倍政権下で防衛官僚を務め、防衛「チーム安倍」を自称する内局・制服のOBが、新著「国防の禁句」で与那国島防衛のためには民間事業者を戦地へ強制派遣できるよう法整備すべきと主張している。
その主張を「超訳」すると以下の通り(掲載ページは会員のみ配信済み)。
今や国家総力戦の時代となり、自衛隊だけでは国を守れない。地方自治体や指定公共機関そして民間事業者も一緒になって国を守る必要がある。
仮に与那国島に配備されている防空ミサイル、地対艦ミサイルが壊れて修理が必要な場合、自衛隊の能力では修理できない。また同島の通信を支える光ファイバーが切断された場合も自衛隊では対応できない。従って民間企業の技術者に来てもらわなければならない。
現状では有事に際して民間事業者にそうした命令をすることができないのにも関わらず議論が全くされていない。従わなかった場合の罰則も含めてもう一度考え直す時が来ている。
以上の主張を「意訳」すると次の通りだ。
① 自衛隊法第103条に基づく民間事業者への業務従事命令では戦闘地域(いわゆる1項地域)への派遣ができないので、これをできるように法改正すべき。
② 同条の業務従事命令には罰則がないので、強制力を担保するために罰則規定を設けるべき。
彼らのこの主張をOBの単なる「放言」と見逃すことはできない。
事実、防衛省が業務従事命令の対象者の拡大を検討していることが、本会の情報公開請求により防衛省が開示した文書から明らかになっている(軍問研ニュース)。彼らの主張も省内での秘密裏の検討に基づいたものかもしれないのだ。
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