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自衛隊が法令上の根拠無しに施設利用を米軍に許可―地位協定無視が常態化

軍事問題研究会編集
3月15日
読了時間: 2分

 日米地位協定第2条第4項(b)は米軍に自衛隊施設・区域の一時的使用を認めている。

 通常、その使用は日米合同委員会の合意という手続きを経て行われ(「(お知らせ)日米合同委員会合意について」(2026年2月27日 防衛省))、また地元自治体に対しても防衛省はそのように説明している(「米軍無人機の一時展開に関する質問書について(回答)」7頁)

 しかし自衛隊が同委員会の合意を経ずに米軍に施設の利用を認めていることが、本会の情報公開請求に対する防衛省の不開示決定から明らかなった。

 事の発端は、本誌第770号で取り上げた「令和6年度基地対策担当者会同」に「日米共同訓練の際の日米地位協定第2条第4項(b)に基づく手続きが基本的に不要と解される例」という項目が掲載されていたことだ。内容から、同項に基づく合意を経ずに自衛隊が演習場や基地を米軍に利用させていることが分かる。なお同文書は基地対策担当者向けの講義資料だ。

 なぜ不要と解されるのか疑問を持った本会は、防衛省に対して「日米共同訓練の際の日米地位協定第2条第4項(b)に基づく手続きが不要と解される根拠となる文書(国内法令及び日米間の合意文書)の全て。」という情報公開請求を試みた。

 これに対して防衛省は、文書不存在を理由に不開示決定(令和7年12月26日付け防官文第29745号)を行ったのである。

 即ちこれは、日米間の正式な合意無しに、かつ国内法上の根拠も無しに、日本の土地を米軍に使わせていることを意味するものだ。

 更に「日米共同訓練の際の日米地位協定第2条第4項(b)に基づく手続きが不要と解される場合の省内手続きに該当するもの全て。」との情報公開請求に対しても、文書不存在を理由に不開示決定(令和8年3月6日付け防官文第5466号)を行ったのである。

 つまり米軍による自衛隊施設の利用に際しては現場の判断だけで、省内手続すら必要としないというのである。

 日本の防衛法制は、許可事項列挙型―即ち許可された事項のみ行動が許されるという法体系となっている。従って国内法令の根拠無しに米軍に施設の利用を認めることは防衛省設置法及び自衛隊法に違反すると言えよう。


【関連バックナンバー】

『軍事民論』第770号ここをクリック

台湾有事での課題「日米地位協定第2条」とは?

    ―防衛省部内資料が示すその意義と手順―

 
 
 

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