日本政府の本音は「一つの中国・一つの台湾」―外務省極秘文書より
- 軍事問題研究会編集
- 8 時間前
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台湾有事を巡る存立危機事態答弁が「一つの中国」原則に反するとの中国の反発を生んだ高市 総理だが、従来の政府見解に変更ないとの態度で何とかこの事態を乗り切ろうとしているようだ。
日中国交正常化以降、「一つの中国」が政府の一貫した答弁ラインであったが、これに反してその本音が「一つの中国・一つの台湾」であったことが、本会の情報公開請求により外務省が開示した極秘文書が明らかにしている。
その極秘文書が「わが国の外交政策大綱」(以下「大綱」)だ。

大綱は、昭和44(1969)年当時の我が国の外交の重要問題について従来の日本政府の方針に必ずしもとらわれず、公開を前提とせず、自由な立場から行った議論を取りまとめた―従って参加者の本音が吐露された―外務省の内部作業文書である。
大綱では主に以下の問題が外交の重要問題として取り上げられている。
① 米ソ間の核抑止力が依然として国際情勢の基調
② 中共の核戦力増強による軍事的台頭による中ソ関係の不安定化
③ 東西、米中ソ関係の不安定要因としての中東、ラオス、カンボジア情勢の流動化
④ 我が国国内における安全保障の重要性に関する認識が強まり、日米安保条約継続方針についての国民的理解の深化
⑤ 朝鮮半島情勢の緊張
⑥ 昭和43年の国連における核不拡散条約の採択
⑦ 中共の承認国の増加と我が国の中華民国(台湾)との関係の維持
⑧ ベトナム戦争の継続
そして特定の外交関係や外交政策について、対外的には公表していない政府の立場・考え方と受け取られかねない記述等があるとして現在でも不開示箇所がある。
大綱に記載されている中国共産党(文中では「中共」)への警戒心は、今日の我が国保守派のそれと地下水脈のようにつながっており大変興味深い。高市 総理の認識もこれに連なるのではないかと推察される。
以下、大綱「3 対中施策」から当該部分を抜粋・紹介する。また明らかに誤植の箇所は訂正した。
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