国家情報会議設置法に対する各省庁の疑問―省庁間協議より
- 軍事問題研究会編集
- 6月30日
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『軍事民論』第784号(2026年7月1日発行)…10頁
国家情報会議設置法に対する各省庁の疑問―省庁間協議より
「国家情報会議設置法」が今国会で成立した。同法案に関しては、権限の集中や既存機関との関係などを巡り、国会審議の段階から様々な疑念や批判が提起されてきたことは記憶に新しい。
では、この法律を最も身近で見ていた政府機関自身は、どのような不安や警戒感を抱いていたのだろうか。

本会が行った情報公開請求に対し、内閣情報調査室は、法案作成過程で各省庁から寄せられた質問・意見と、それに対する回答を開示した。本号では、その内容を紹介したい。
法案策定に当たり、主管官庁である内閣情報調査室は関係機関に対して質問・意見を募っていた。これに応じて、会計検査院、内閣人事局、公安調査庁、警察庁、国家安全保障局から質問ないし意見が提出されている。
興味深いのは、その内容である。特に公安調査庁、警察庁、国家安全保障局のやり取りからは、新たに創設される国家情報会議に対する各機関の警戒心が透けて見える。
公安調査庁の質問からうかがえるのは、「国家情報会議が定める情報活動の重点」と「公安調査庁自身の判断」との間に齟齬が生じた場合、同庁の活動が制約されかねないという疑念である。平たく言えば、「現場の判断よりも上からの方針が優先されるのではないか」という警戒感だ。
警察庁の質問からは、国家情報会議から犯罪捜査に関する情報提供を求められた場合、捜査の秘匿性や機動性に支障が生じるのではないかとの懸念がうかがえる。この懸念は決して杞憂ではなく、過去において政治的判断から北朝鮮スパイ捜査が中止された事案があった(いわゆる「零余子(むかご)」事件。救う会全国協議会ニュース(2025.10.27-2))。
一方、質問ではなく意見を提出した国家安全保障局だが、その意見からは、安全保障政策の司令塔としての自らの地位が、新設される国家情報会議あるいは国家情報局に奪われることへの危惧が露骨に示されている。
こうした各機関の質問・意見に共通する疑念は、「国家情報会議は既存の情報機関を統合する司令塔となるのか、それとも各機関の権限や判断を縛る新たな上部組織となるのか」という問題である。
これに対して、内閣情報調査室はどのように回答したのか。その詳細については、以下の本文をご覧戴きたい。
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