台湾有事を巡り米中紛争が勃発した場合、軍事力で劣勢の中国が核兵器を先制使用すると一般的には想定されている(注)。
ところが、こうした想定に反して、アジア太平洋地域おいては米国の攻撃能力が極めて限られているため、逆に米国の方が核の選択を迫られると防衛研究所の部内研究が分析している。
その部内研究が、「核抑止戦略を巡る最近の動向」(防衛研究所令和4年度所指定研究成果報告書)だ。「所指定研究」とは、防衛政策の策定に資することを目的に広範囲な安全保障の観点から実施する調査研究をいう(平成11年防衛研究所達第1号「防衛研究所の調査研究に関する達」)。
同研究によると、アジア太平洋地域に限れば、通常戦力での米中紛争は以下の理由から米国が不利であるという。
(注)そうした想定に基づくものとして以下の論考がある。
北朝鮮および中国の核使用シナリオ *ここをクリック
もしも今核兵器が使われたら 初のシミュレーションが示す脅威 *ここをクリック
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