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初公開 防衛省部内資料が明らかにした                         宇宙作戦集団の編制と役割

軍事問題研究会編集
9月26日
読了時間: 5分

『軍事民論』第788号(2026年9月28日)…6頁

(記事1)

初公開 防衛省部内資料が明らかにした                       

宇宙作戦集団の編制と役割―「相手の指揮・通信を妨げる能力」の本格運用開始

(記事2)

「宇宙作戦」とは―「航空自衛隊コアドクトリン2021」(幹部学校草案)より


【記事1について】

 航空自衛隊が今年(2026年)度に「航空宇宙自衛隊」へ改編される。その中核となるのが、現在の「宇宙作戦群」を改編して新設される「宇宙作戦集団」だ。

 しかし防衛省は同集団の新編を公表しただけでその詳細については何も明らかにしていない。このため国民は、その実像を知る手がかりをほとんど持てずにいる。

 こうした状況下で、このたび本会の情報公開請求に対して防衛省は、「部内限り」の標記が付された「防衛省設置法等の一部を改正する法律案(令和8年度予算関連法案)勉強会資料」(2026年1月8日現在)を開示した。

(注)「部内限り」に斜め線(取り消し線)が引かれているのは、防衛省が開示実施に当たって施した措置。文書の開示に当たって不開示箇所に墨消しの措置を施したので、「部内限り」に該当しないということを示している。
(注)「部内限り」に斜め線(取り消し線)が引かれているのは、防衛省が開示実施に当たって施した措置。文書の開示に当たって不開示箇所に墨消しの措置を施したので、「部内限り」に該当しないということを示している。

 表紙に「事務方が対外説明する際の資料として作成したもの」と付記された同資料は、令和8(2026)年度予算関連法案に関して、Q&A(自問自答)形式で同年度の事業に関する解説が行われている。

 その中には今年度新編される宇宙作戦集団の詳細について多くの頁が割かれている。そこで本号では、その中から重要な記述を抜粋・紹介する。

 勉強会資料でまず目を引くのは、これまでメディアが報じてこなかった宇宙作戦集団の編制の詳細だ。また空自の宇宙領域専門部隊の体制の変遷も掲載されており、資料としての価値も高い。

 更に勉強会資料は、宇宙作戦集団の役割が、「宇宙領域防衛指針」(2025年7月 防衛省)で唱えられた「相手方の指揮統制・情報通信等を妨げる能力」(3頁)の本格的な運用であることを明らかにしている。

 そこで注目すべきは、「相手方の指揮統制・情報通信等を妨げる能力」の具体的手段や態様について明らかにできないとしながら、憲法第9条、国連憲章、宇宙条約との関係について政府見解の整理が済んでいることだ(その内容については本号をご覧戴きたい)。

 自問項目は以下の通り。

 宇宙作戦集団(仮称)の新編の概要如何。

 名称を「宇宙作戦集団」とする理由如何。

 自衛隊法第20条における宇宙作戦集団(仮称)の規定位置の理由如何。

 新編に伴う増員は、どこの部隊から捻出するのか。

 令和7年度に新編する宇宙作戦団(仮称)と、宇宙作戦集団(仮称)の隷下の宇宙作戦団(仮称)は何が違うのか。

 宇宙支援隊(仮称)の概要如何。なぜこのような部隊が必要なのか。

 宇宙情報群(仮称)の概要如何。なぜこのような部隊が必要なのか。

 宇宙作戦集団(仮称)のいずれの部隊が相手方の指揮統制・情報通信等を妨げる能力を有しているのか。

 宇宙領域の「相手方の指揮統制・情報通信等を妨げる能力」によって、相手方の衛星に対してどのように妨害するのか。これは、憲法・国際法との関係で問題にならないのか。

 以 上


【記事2について】

 防衛省は空自組織名に「宇宙作戦」という名称を付与しているが、「宇宙作戦」とは何かについて『防衛白書』等でも全く説明していない。

 そこで同作戦について直接説明していた空自部内資料を発見した。それが「航空自衛隊コアドクトリン2021」(幹部学校草案)だ。

 空自は「教範」の他に「ドクトリン」を作成している。前者は「自衛隊の行動及び教育訓練を適切、かつ、有効に実施するために、部隊の指揮運用、隊員の動作等に関する教育訓練の準拠を示したもの」(昭和40年防衛庁訓令第34号「教範に関する訓令」第2条)だ。

 これに対して後者は「空自隊員が、行動の根拠である法規類に基づき、武力攻撃事態等は無論のこと、いわゆるグレーゾーン事態を含む平素においても、空自の隊務を適切かつ有効に遂行するための基盤となる知識及び考え方である」(「航空自衛隊コアドクトリン2021」(幹部学校草案)1-1頁)。

 両者の違いは、教範が短期間では変わらない普遍的事項(原理原則や基本的事項)を記述しているのに対して、ドクトリンは、情勢等の変化に対応して見直されることを前提とし、変化が著しい現実に対処し、教範に書かれていない状況においても、どのように任務を遂行していくのがより有効と考えられるかを示すものである(同上1-2頁)。

 本号では、「第3章 航空作戦と宇宙作戦」から宇宙作戦に関する第2節を抜粋・紹介する。

【関連バックナンバー】

『軍事民論』第683号…6頁

宇宙領域を制する者がサイバー・電磁波領域を制する―航空自衛隊作戦ドクトリンが明かす宇宙の優位性 *抜粋はここをクリックするとPDFファイルがダウンロードできます。

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