ウクライナ紛争を巡るロシアによる核威嚇を契機に、我が国でも核抑止力の強化の一環として、NATOの核共有(Nuclear Sharing)制度に関心が高まっている。
NATOには、この核共有に参加していない加盟国による、核共有を支援するためのプログラム「SNOWCAT」(Support of Nuclear Operations with Conventional Air Tactics)がある。これには、チェコ、デンマーク、ギリシャ、ハンガリー、ノルウェー、ポーランド及びルーマニアの7ヵ国が参加している。
このSNOWCATを既に我が国が行っていると、2等海佐が防衛省・自衛隊発行の研究誌で指摘している。
核共有とは、米国が保有するB-61戦術核爆弾をNATO非核保有国に備蓄し、非核保有国の保有するDCA(Dual Capable Aircraft。現在はF-15Eが担当しているが、老朽化によりF-35が代替する予定)によって核兵器を実際に運搬・投下することを可能とするシステムである。核共有参加国は、この核兵器使用に拒否の自由はあるが、米国なしに使用する自由はない。
このDCAを支援するための通常戦力による航空支援が、SNOWCATなのである。具体的には、核任務を受けたDCAを護衛するというものだ。またその他に空中給油、敵の防衛網の制圧及び捜索救難等の支援を提供する。
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