『軍事民論』第747号(2025年1月31日発行)…8頁
若い下級自衛官は現状の処遇を肯定
―空幕内部データが示す自衛官の満足度―
自衛官の深刻な採用難から近年、その対策として自衛官の処遇改善が叫ばれるようになった。
これを受けて政府も自衛官の処遇改善策の基本方針(注)をまとめた。
果たしてメディアが言うほど自衛官の処遇は低く、本人達は不満を持っているのか?航空幕僚監部が内部アンケートをまとめた調査結果が示すデータでは、若い下級自衛官(士長~士クラス)が処遇に不満を抱いていない実態が浮かび上がるのである。
その調査結果が、「令和5年度隊員意識調査結果」(中業隊人管第1011号(令和6年2月22日)別冊)〔以下「調査結果」〕だ。同意識調査は空幕が全部隊規模で2年に一度行っているもので、「隊員の意識の実態を把握し、今後の諸施策の資とする」(1頁)ことを目的に自衛官(2等空佐~2等空士)及び事務官等の計2,681名を対象に調査票による質問紙法(無記名方式)で行われた(調査期間は2023年7月3日~7月31日)。なおサンプルの抽出は認識番号の下2桁から抽出する無作為抽出法によるが、選定に当たっては階級・年齢・男女比等が航空自衛隊の構成比率とほぼ同率になるよう調整されている。
(注) 「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針」(2024年12月20日 自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議)。同関係閣僚会議は、「一層厳しさを増す安全保障環境の中、我が国の平和と独立を守るため身をもって責務の完遂に努めている自衛官の処遇改善、勤務環境の改善、そして新たな生涯設計の確立等のための方策を取りまとめる」(「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する関係閣僚会議の設置について」(2024年10月9日 内閣総理大臣決裁))ために設置されたもので、議長は内閣総理大臣。
(小見出し)
はじめに
自衛官の実質給与は民間より上
若い自衛官ほど手当に不満なし
プライバシーの確保は「間仕切り」で良い
入隊勧誘に自衛官自体が消極的
おわりに―報じられないサイレントマジョリティの声
(その他記事)
基地内託児所を利用しない理由は「基地は攻撃を受ける対象であるから」
―「令和3年度隊員意識調査結果」(航空幕僚監部)が明らかにした空自隊員の本音―
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