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尖閣諸島を巡る日中の軍事戦略―中国の「漸進的な拡張」vs 日本の「柔軟抑止」―

軍事問題研究会編集

更新日:2024年1月28日

 「中国、東シナ海「防空識別圏」境界付近に常時3隻以上の軍艦…海自の新型護衛艦とにらみ合い」が報じられています(『讀賣オンライン』1/28(日) 5:00配信)

 そこで中国の「三戦」の手段として「防空識別圏」の設定が行われていることを論究した本誌バックナンバーをご紹介致します。

『軍事民論』第673号(2021年5月18日発行)…11頁。

【要旨】

 中国の海洋侵出の特徴を「機会主義」的な「漸進的な拡張」(Creeping Expansion)と分析すると共に、現在日本が直面する、中国による尖閣諸島への侵出に対する島嶼防衛のための新たな戦略を提示した「幹部学校研究メモ」が作成されている。

 同メモは、航空自衛隊幹部学校航空研究センターが、その研究活動の成果の一端を機に応じて発信、議論の活性化を図ることを目的に作成されるものだ。

 「漸進的な拡張」という概念は、欧米軍事論壇では一般に使われているようであるが、我が国ではほとんど知られていない。また我が国の論壇で中国の尖閣諸島への侵出に関して戦略レベルでの対抗手段が提示されることも寡聞にして聞かない。

 本号では、(資料番号:21.2.22-1)を中心に、その他の研究メモも加え、空自幹部学校が中国の海洋侵出戦略をどのように分析しているか、そして研究メモから垣間見える、中国に対抗する尖閣諸島防衛戦略構想の中心となる「柔軟抑止」という戦略概念を紹介したい。


(資料番号:21.2.21-1)「研究メモ(26-1)中国国防部公告とAIP CHINAの『東シナ海防空識別区』に関する考察」(2014年3月13日 航空自衛隊幹部学校航空研究センター)

(資料番号:21.2.21-2)「研究メモ(27-2)『三戦の理論分析』―防空識別区の設定を一例として―」(2015年7月16日 航空自衛隊幹部学校航空研究センター)

 *資料番号にクリックすると抜粋(PDFファイル)がダウンロードできます。

【小見出し】

1.中国の南シナ海侵出の特徴―「漸進的な拡張」と「機会主義」

 (1) 1990年代の特徴

 (2) 2000年代の特徴

2.中国の「三戦」―「漸進的な拡張」実現の手段

 (1) 三戦の定義

  ① 輿論戦

  ② 心理戦

  ③ 法律戦

 (2) 輿論戦とプロパガンダとの関係

 (3) 三戦の例

 (4) 中国にとっての三戦の意義

  ① 内政から見た意義

② 日本との関係から見た意義

3.中国の東シナ海侵出

 (1) 中国による「機会の窓」のテスト―防空識別区の設置

 (2) 防空識別区の死文化

4.「漸進的な拡張」に対抗する日本の「柔軟抑止」

 (1) 従来の抑止概念に基づく対応の限界と危険性

 (2) 柔軟抑止の機能

5.「柔軟抑止」への防衛省・自衛隊の取組

 (1) 防衛計画に組み込まれる柔軟抑止

① 2015年指針

② 「防衛諸計画の作成等に関する訓令」

③ 「柔軟に選択される抑止措置に関する指針について(通達)」

④ 30大綱

 (2) 日米共同FDOの実例

 (3) 米の拡大抑止が支える「柔軟抑止」

おわりに―今後ますます核に依存する日本の安全保障


□ 頒価 ¥300円(前金制)

 下記本会口座までご入金戴くと共に、本会アドレス(ttn5rhg28d@mx2.ttcn.ne.jp)まで「『軍事民論』第673号注文」とお申し付け下さい。

 お振込み確認後、PDFファイルをメールにて送付致します。

□ 領収証

 発行しませんのでご注意下さい。

 ただし本誌又は本会ニュースのバックナンバーを合わせて¥500円以上をご購入の場合は、お申し付け戴ければ発行致します。


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