下は、本会の情報公開請求で開示された同一文書である(左が外務省、右が防衛省)。
国会答弁想定であるが、外務省は答弁部分を開示、防衛省は不開示とした。
防衛省の不開示に対する審査請求では、当然のことながら、防衛省の不開示は不当と判断されると思われたが、情報公開・個人情報保護審査会は以下の防衛省の主張を首肯し、これを妥当とする驚きの答申(令和6年度(行情)答申第32号)を行った。
本件対象文書の作成元である主管官庁は外務省であり,防衛省においては,協議先の位置付けであった。そのため,本件対象文書は協議が整った最終的な意思決定ではなく,協議中のものであり,これを公にすることにより,関係省庁間において検討していた担当部局における未成熟な検討内容が明らかとなり,今後の同種の文書の策定作業において政府部内での自由かっ達な議論に支障を来すなど,国の機関内部における率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるため,不開示とした。
情報公開請求では、開示請求された行政文書・法人文書が他の行政機関や独立行政法人等により作成されたものであるなどの場合は、その行政機関の長や独立行政法人等に対して事案を移送することができると定められている(「情報公開法制の概要」)。
今回の請求でも、防衛省は主管官庁である外務省に移送が可能であったはずだ。
公開できる文書が、受理した省庁により不開示となるというおかしな取扱いは改められるべきである。
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