情報公開審査会が、「公文書等の管理に関する法律」(公文書管理法)第7条違反を容認する答申を行った。
自衛隊・米軍の基地周辺や国境離島の土地利用を規制する重要土地規制法を所管する内閣官房重要土地等調査法施行準備室が、公文書管理法第7条に違反して、行政文書ファイル管理簿を公表していなかったことは既に報じたところである(2021年12月7日(火)配信「ニュース:重要土地等調査法施行準備室 行政文書ファイル管理簿を公表せず―公文書管理法第7条違反」)。
この違反を確認できた開示請求に対して、同法第7条に基づき公表されていなければならない文書であり、本来であれば情報公開請求により開示を受ける必要が無いことから、「開示実施手数料の免除を求める」との異議申立(審査請求)を行ったところ、情報公開・個人情報保護審査会の答申(下記)が最近下された。
同答申は、「開示実施手数料の免除を求める」との異議に対して、「審査請求人のその他の主張は,当審査会の上記判断を左右するものではない」として、事実上、公文書管理法律第7条違反を容認する判断を下した。
重要土地規制法の施行に伴い、内閣官房重要土地等調査法施行準備室は現在、「内閣府政策統括官(重要土地担当)」に組織の格上げが行われている。
しかしながら情報公開の態勢は未だ整っておらず、現在でも、e-Gov文書管理で「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」との検索をかけても2件しかヒットしない。しかもそれらは内閣法制局と警察庁が所蔵しているものだ。
つまり内閣府政策統括官(重要土地担当)が所蔵する行政文書ファイル管理簿は公表されておらず、未だに公文書管理法律第7条違反が続いているのだ。
今回の答申は、このような行政機関の「情報非公開」の態勢を容認するものであり、批判を受けることは必至である。
令和4年度(行情)答申第327号
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