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ニュースの背景:B61-13「核重力爆弾」は誤訳

軍事問題研究会編集

 米国防総省は10月27日、核爆弾「B61」の新たな改良型「B61-13」を開発すると発表したと報じられている(「米、新型の核爆弾開発し抑止力強化へ」)


 一部のメディアで(しかも専門性の高いメディアでも)、この核爆弾を「核重力爆弾」と紹介しているものがある(「米国、新型核重力爆弾を開発」)


 こう表記すると、重力に影響を与えるような、新たな核爆弾の開発が行われるのかと息を呑む思いがするが、「核重力爆弾」という表記は誤訳と言って良い。


 国防総省の発表文ではnuclear gravity bombとされているので、直訳すると「核重力爆弾」になってしまうのであるが、実態はミサイルのような推進力を持たずに、航空機から投下して重力(引力)によって落下する爆弾なのである。このことからgravity bombは「自由落下(型)爆弾」と訳されることもある。


 実態を鑑みると、gravity は訳さずに「核爆弾」とするのが、一番誤解を生まない表記であろう。

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