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ニュースの背景:警告射撃は威嚇射撃ではない―対領空侵犯措置を巡る誤解

軍事問題研究会編集

 「中国軍機が日本領空を一時侵犯 中国軍機の侵犯確認は初 防衛省」(NHKニュース)で「自衛隊機による警告を目的とした信号弾の射撃など、武器の使用は行っていないということです」と報じられておりますが、誤解を招く表現なので、参考までに過去の本会ニュースをご紹介致します。


(2013年1月16日(水)配信)

ニュースの背景:警告射撃は威嚇射撃ではない―対領空侵犯措置を巡る誤解

 「中国領空侵犯 信号弾で対応*1という記事が出た。小野寺 防衛相が記者会見で尖閣諸島領空を侵犯する中国機に対して「警告として信号弾を射撃する方針を明らかにした」というのだ。

 はて信号弾という警告射撃用の特別な弾丸が存在したのかと首をひねっていると、翌日の朝刊では「警告のため曳光弾で信号射撃をする方針を表明した」*2とさりげなく訂正されており、やっと納得がいった次第だ。曳光弾と信号弾を混同していたのであった。

 小さな間違いだが、反響は大きい。この報道を受けて、中国人民解放軍の彭光謙少将は、中国網のインタビューで「日本が信号弾1発でも撃てば遠慮なく反撃する」と警告したという*3

 信号弾は、遭難した要救助者が救助を求める際にその所在を知らせるために使用するもので、通常は信号拳銃から発射する。救助を求めての一発が日中戦争の引き金になったのではたまらない。

 こんな小さな誤りですら、不信感を持つ相手側には誤解となって増幅して行く様は空恐ろしくもある。

 同様な誤解を招きかねないのが、現在メディアの注目を集めつつある「警告射撃」という用語だ。

 報道を見ているとどうも「警告射撃」を「威嚇射撃」と混同している節が見られるが、両者は完全に異なる。航空自衛隊の対領空侵犯措置においては、前者は「信号射撃」として取り扱われている。

 誤解が広がる前に「警告射撃」の正しい意味ついて、(資料番号:12.4.3-1)「行動法規」(空自幹部学校)*4を基に解説したい。


  *1 2013年1月15日付『朝日』(夕刊)第4版第2面。

  *2 2013年1月16日付『朝日』第14版第4面「『領空侵犯続くなら信号射撃』 手順示し中国牽制」。

  *4 同資料は、航空自衛隊幹部普通課程学生に対する防衛関係法の教育資料として作成されたもの。紹介するのは現時点では最新版。


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