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仮想敵国の復活か?―陸自「演習対抗部隊」改正

  • 軍事問題研究会編集
  • 1月22日
  • 読了時間: 2分

 陸上自衛隊において仮想敵国が復活した模様だ。

 その兆候を示しているのが、訓練資料「演習対抗部隊」の改正(2024年3月)である。

 「演習対抗部隊」とは、陸自の訓練・演習において敵となる部隊の編成・装備・戦術等を設定したものだ。

 以前のものは「編成・装備」(第1部)と「作戦・戦闘」(第2部)で編纂されており、特定の国を想定したものではなかった。これに対して新たなものは国別にされているので、それぞれその内容を変えているはずである。即ち特定の国家を想定している可能性が高いのである。

 冷戦時代に陸自は「対抗部隊甲」・同乙・同丙という秘文書を作成していた。いずれもソ連、中国、北朝鮮の編成・装備・戦術等をまとめたものだ(注)。今回の改正は、これが復活したものと見て良かろう。

 なぜなら安保3文書の1つである「国家防衛戦略」は警戒すべき国家として、ロシアを「防衛上の強い懸念」、中国を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」、北朝鮮を「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」と評価しているからだ。

 今回の改正は、政府の脅威認識の自衛隊内での具現化と言えよう。

(注) 藤井 治夫「自衛隊の作戦計画」(三一書房 1971年7月15日 第1版第1刷発行) 52頁。

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